国芳の描いた戯画
武者絵と並んで、おもしろおかしい「戯画」を得意としていた国芳は、溢れ出るアイデアと抜群のユーモアに満ちた魅力的な作品を多く残しています。
天保の改革による役者絵や美人画に対しての様々な規制も、国芳は動物や魚たちを擬人化するというウィットに富んだ解決方法で潜り抜けたといいます。
愛猫家で知られる国芳が描いた、リアルな仕草や表情が愛らしく魅力的な猫たち、そして、擬人化されたポップでコミカルなカワイイ金魚たち。どちらも、江戸時代の庶民の間で広く飼育されていた動物ですので、日頃かわいがっているペットたちの姿を遊び心たっぷりに描いた浮世絵に、江戸っ子たちは夢中になったに違いありません。