後編では、インテリアの一部として、浮世絵やアート作品を飾る際に心がけていることを詳しくうかがいます。インテリアへの造詣が深いMさんのお話には、アダチのスタッフも参考にしたいポイントがたくさん詰まっていました。
また、アロマも趣味の一つであるというMさんならではの、浮世絵の楽しみ方とは? ぜひ最後までお楽しみください。
今回お話をうかがった Mさん
家族4人と、愛犬1匹でお住まいのMさん。趣味はガーデニングや愛犬の散歩、インテリアショップ巡りとのことで、素敵なご自宅での暮らしがうかがえます。今後の浮世絵の楽しみ方をうかがった際には、「愛犬の白黒ブチ模様と相性の良い浮世絵も欲しいです」とのこと。
|
リビングのフォーカルポイントに浮世絵を飾る
―以前からご自宅に絵を飾ってらっしゃったとのことですが、昨年のリフォーム時にも絵をかけることは想定されていたのですか?
Mさん 「はい。この、3枚の浮世絵を掛けているリビングのスペースは他の壁面と違って、元々絵画を飾るために確保したスペースです。家族が集まる部屋のフォーカルポイント(※)となる部分ですので、良いものを飾りたいと考えておりました。」
Mさんはこのスペースに、浮世絵以外にも様々なジャンルの作品を飾られているそう。ミッドセンチュリーアートや、トルコのイズニックタイル、また、キリムの織物など、季節や時期によって掛け替えをして楽しんでいるそうです。
―飾っていない作品は、どのように保管されていらっしゃるのでしょうか。
Mさん 「湿気・カビに注意して、換気の良い場所に保管しております。定期的に布で埃汚れを除去しております。」
長く作品をお楽しみいただくために、保管も徹底されている様子がうかがえます。掛け替える作品を選ぶ際のポイントについてもうかがいました。
―浮世絵以外の作品も含めて、絵を購入される際のこだわりや、気を付けていることはございますか?
Mさん 「内装材・家具は無垢材を使用したものが多いので、天然のウッドとの相性に特に気を付けております。あとキーワードとして、ヴィンテージ、レトロ、ノスタルジック、トラディッショナル、こちらのテイストが感じられるものを選んでいます。
また、絵を掛けるにあたっては、額縁を部屋に合わせることは大事です。」
「額」と「余白」で洗練された雰囲気に
「額縁を部屋に合わせることが大事」というMさん。アダチ特製浮世絵専用額については、嬉しい感想をいただきました。
Mさん 「アダチ版画さんの額縁は、濃い茶色でしたので我が家のインテリアにマッチしました。またダーク系ですのでキリッとしたイメージが強く、全体が引き締まった感じとなり、上品で知的な印象になったと思います。アダチ版画さんの浮世絵は、どんな空間にもマッチすると思います。」
Mさんのお部屋にも掛けていただいている、アダチ特製浮世絵専用額は、和洋問わず様々なお部屋に合うと、多くのお客様にご好評いただいています。
そして、額縁以外にも、インテリアに絵を取り入れるうえで、大切にしていることがもうひとつ。
Mさん 「特に心がけたのは、作品のディスプレイの仕方です。絵をセンスよくディスプレイするためには、飾るものを厳選することが大切だと思います。たとえ飾るスペースがたくさんあっても、あえて詰め込まず、余白を意識して配置すると、洗練された雰囲気が生まれるのではないでしょうか。」
「香り」と「浮世絵」でおもてなし
また、Mさんは、趣味であるアロマと浮世絵の組み合わせが、ご自宅に来られた方々への「最高のおもてなし」でもあると仰います。
Mさん 「私はアロマが趣味で、お香、香水、キャンドル、ポプリなど、香りに関するものを多数所有しています。中でも、白檀、伽羅、沈香など、古くから日本にある香りと、浮世絵との相性は抜群です。香炉やキャンドルなど、おもてなしの香りと組み合わせて使うと、描かれている絵のイメージと相まって、更に素敵な空間を演出できると思います。」
そしてなんと、現在、飾っていらっしゃる春信の「二月 水辺梅」に合わせた、おすすめの香りも教えてくださいました。
Mさん 「アロマキャンドルでしたら、MAD et LENの"FIGUE(いちじく)"。作品に描かれている、うるおいに満ちた夜の空気感や少年と少女のシックでストイックな逢引のイメージにぴったりだと思います。お香でしたら、沈香の気品と静けさのイメージが、この作品の奥ゆかしさや優しさと重なるように思います。」
お話をうかがい、アダチ版画の浮世絵をインテリアとして皆様にさらに楽しんでいただくために、まだまだ様々なご提案ができるのではないかと、改めて考えるきっかけをいただきました。
最後は、今後の浮世絵の楽しみ方について、展望をうかがいました。
和モダンスタイルのインテリアの中で、浮世絵を楽しんでいきたい
―最後に、今後どのように浮世絵を楽しんでいきたいかなどございましたら、お教えください。
Mさん 「いくつかビジョンがあるのですが、まず、これまで同様に、新しいものを季節や気分によって、かけ替えて楽しんでいきたいと思います。また、和モダンスタイルが好きなので、そのテイストに合う浮世絵を見繕うのもいいですね。
例えば、仙台箪笥をリビングとダイニングの境目に置いているのですが、この仙台箪笥や、藍色のエントランスラグに合う作品も探していけたらと思っています。」
インタビュー後、春信の「二月 水辺梅」をこの仙台箪笥のところに飾ったお写真も送ってくださいました!
他の陶器やクロスとの相性もよく、とてもマッチしていて素敵ですね。
今後もインテリアに合わせて、浮世絵を楽しんでいきたいとおっしゃってくださったMさん。このたびはインタビューにご協力いただき、本当にありがとうございました。次回のお買い物の際には、今回拝見したご自宅とわんちゃんのお写真を参考に、ぜひわんちゃんと一緒に楽しんでいただける作品をおすすめしたいと思います。
広重の「名所江戸百景」より、愛らしい子犬の姿に心和む「高輪うしまち」。
そして川岸に竹材が並ぶ京橋の問屋街を描いた「京橋竹がし」。「竹」と「犬」を組み合わせると「笑」になることから、ご家族の団欒の場に、こちらもご提案したいと思います。