
2021年、K-POPグループ・BTSとのコラボレーションがソウルの「HYBE INSIGHT」ミュージアムで展示されるなど、世界を舞台に活躍するジェームス・ジーン氏が、アダチ版画研究所の彫師・摺師とともに手がける、木版のための特別な女神シリーズ。
<p>ジェームス・ジーン(1979- )</p>
幅広いジャンルにおいて多面的なアプローチで創作活動を展開するジェームズ・ジーン。台湾で生まれ、現在はロサンゼルスを拠点とするジーン氏は、ニューヨーク、ロサンゼルス、ロンドン、香港、そして東京などで開催される美術展に参加するなど、世界を舞台に活動されています。
ジーン氏は、現代的なテーマを中国、日本、ルネッサンスなど伝統的な美術や様式と融合させ、彼だけの宇宙的な世界、神話のように壮大な世界を描きだし、人々を魅了していますが、その活躍の場は、2008年のファッションブランドプラダとの革新的なコラボレーションを始め、2018年アカデミー賞を受賞した話題の映画『Shape of Water』のポスター制作、そして同じく2018年にふたたびプラダとコラボレーションするなど、様々なジャンルにわたります。

彫ーCarving
刀の先端に神経を集中させ、
滑らかで優美な線を彫りあげていく
日々森羅万象と向き合い、その独特の世界観を美しい線で自在に描いていくジェームス・ジーン氏。彫師は、絵師であるジーン氏の意図を読み解きながら、その優美で滑らかな線をリズミカルに彫りあげていきます。小刀一本で繊細な線を彫る作業は、彫師が最も高い集中力と精度を求められる場面です。
摺ーPrinting
日本独特の素材と技から生まれる
軽やかで、鮮やかな色彩
伝統木版画特有の軽やかで鮮やかな発色は、丁寧に作られた楮の和紙に水性絵具を馬連を使って摺りこむことで生まれます。摺師は、ジーン氏の描く世界観を感じ取りながら、色を調合し、摺り重ねていきます。