
アメリカで活躍中の若手イラストレーター・Victo Ngai氏とアダチ版画研究所との初めての木版画作品が完成いたしました。広重や国芳の浮世絵に影響を受けたNgai氏から、「アダチ版画研究所が継承する日本の伝統木版技術で、ぜひ自身の木版画を制作したい」とのオファーをいただき、今回のコラボレーションが実現しました。
<p>Victo Ngai</p>
ヴィクト・ンガイ(倪傳婧)は、ロサンゼルスを拠点に活動する香港出身のイラストレーターです。しばしばマジックリアリズムの文脈で語られる同氏の独自の作風は、国際的な評価を得ています。「Forbes 30 Under 30(Art & Style 部門)」に選出され、NYイラストレーター協会の金賞を5度受賞。ドイツ青少年文学賞と銀の絵筆賞(オランダ)の双方で最優秀絵本賞、アートディレクターズ・クラブヤングガンズ賞を受賞し、ヒューゴー賞にもノミネートされました。また業界において生涯功労賞と見なされている、イラストレーター協会の権威あるハミルトンキング賞を、中国人として初めて受賞しました。ヴィクト・ンガイの作品は、象徴性と重層的な物語性に富み、観る者に毎回新たな意味を発見させます。同氏のイラストレーションは、精緻な線描と鮮やかな色彩が融合し、自身の文化的背景に根ざした現代的な感性をたたえています。視覚的な問題解決者でありストーリーテラーでもある彼女は、日常の中にある驚きを探求しながら、想像力あふれる世界を生き生きと描き出します。同氏のクライアントには、グッチ、Apple、ジョニー・ウォーカー、アメックス、アークテリクス、TUMI、ルフトハンザ航空、カールスバーグ、ドリームワークスなど、数えきれないほどの企業が名を連ねています。同氏は世界各地のプロ・イラストレーターのコンペの審査員を務め、4大陸50都市以上で講演やワークショップを行っています。その作品は、ウォール・ストリート・ジャーナル、CCTV、インディペンデント、コスモポリタン、ELLE、マリ・クレール、i-Dマガジン、グラフィス・ジャーナル、コミュニケーション・アーツなど、数多くのメディアに掲載されています。

作品一覧

「Casserole」(2023年制作)
彫ーCarving
刀の先端に神経を集中させ手指によって描かれる独特の線を彫りあげていく





摺ーPrinting
日本独特の素材と技から生まれる、軽やかで鮮やかな色彩




