
クリス・オフィリ
クリス・オフィリは、欲望、アイデンティティ、そして表象の交錯する点を探究する英国人アーティストです。1998年には、現代美術の権威ある賞であるターナー賞を受賞し、2003年には第50回ヴェネツィア・ビエンナーレでイギリス代表を務めました。2005年からはトリニダード・トバゴに暮らし、同地の自然や神話を作品の題材に絵画制作を続けています。
このたび、日本の浮世絵に深い関心を寄せるオフィリ氏が、アダチ版画研究所の職人たちとともに新たな木版画作品を制作しました。

クリス・オフィリ 新作木版画「Satyr Night (waterfall)」発売
クリス・オフィリ氏の新作木版画「Satyr Night (waterfall)」は、オフィリ氏と、伝統技法を継承する彫師・摺師との長期にわたる試行錯誤の末に生まれました。版木の木目を利用し、墨の深い黒と水性絵具の透明感のある発色との対比で、夜の闇の中にオーロラのような光を表したのは、オフィリ氏の発案によるものです。作家が追究した「ミッドナイト・サンライズ(真夜中の東雲)」の豊かな色彩を、ぜひお楽しみください。
*クリス・オフィリ氏の新作木版画は、アダチ版画研究所ショールームでもご覧いただけます。
彫ーCarving
生命力の神秘に溢れる描線を生かす
カリブ海の豊かな自然環境の中で生まれるオフィリ氏の描線は、伸びやかで生命力に充ち溢れています。神話の世界の住人たちの姿を表す描線のしなやかさをそのままに、山桜の板に丁寧に彫り上げます。
摺ーPrinting
素材を生かし、自然の造形を取り入れる
空に浮かぶオーロラのような光は、あえて木目が目立つケヤキ材を版木に使用し、自然が生み出す造形を作品の中に取り入れました。作品の重要な要素である金の粒子は、輝きを出すために制作工程の最後に金粉を蒔いて表しています。
<p>クリス・オフィリ</p>
1968年、イギリス・マンチェスター生まれ。トリニダード・トバコにて活動。主な展覧会に、テート・ブリテン(英・2023-24年、2010年、2005年)、マイアミ現代美術館(米・2017-19年)、ロンドン・ナショナル・ギャラリー(英・2017年)、ニュー・ミュージアム(米・2014-15年)、シカゴ・アーツ・クラブ(米・2010年)、ケストナー・ゲゼルシャフト(独・2006年)、スタジオ・ミュージアム・イン・ハーレム(米・2005年)、サーペンタイン・ギャラリー(英・1998年)など。2003年ヴェネツィア・ビエンナーレ英国代表。1998年ターナー賞受賞。
Photo by Carlos Arias







