
ロッカクアヤコ氏は、ヨーロッパを中心に国際的な人気を誇るアーティストです。20歳頃から独学で絵を描き始め、絵筆を使わず、自身の指に直接絵具をつけて描く手法を確立しました。その指先から生まれる明るい色彩は、まるで音楽を奏でているかのようです。
2000年代に村上隆氏が主宰するイベント「GEISAI」でその才能を認められ、2010年にドイツ・ベルリンに拠点を移し、ヨーロッパで活動。さらに2018年からはポルトガルの古都・ポルトに移住し、世界各国の都市を巡りながら創作活動を展開しています。
現代の職人たちが、木版画特有の温かみのある風合いで、ロッカク氏の自在なタッチとカラフルな色彩を表現することに挑みました。
<p>ロッカクアヤコ(1982-)</p>
1982年東京生まれ。アムステルダム、ベルリン、ポルトガル、東京と拠点を変えて活動。絵具を直接指につけて描くスタイルで、瞳の大きな少女像を描く。2006年村上隆主催の「GEISAI」でスカウト賞を受賞し注目を集めた。主な個展に「魔法の手 ロッカクアヤコ作品展」(千葉県立美術館、2020-21年)、「Dreams in My Hand」(ハンガラム美術館、2023年)、「ALL RIGHT BITE」(GALLERY TARGET、2024年)。主なグループ展に「The Pulse of Modernity」(宝龍美術館、2021年)。作品収蔵先にフォールリンデン美術館、宝龍美術館、千葉県立美術館など。

作品一覧

「無題1」(2020年制作)

「無題2」(2022年制作)
彫ーCarving
刀の先端に神経を集中させ手指によって描かれる独特の線を彫りあげていく
彫師は、絵師であるロッカク氏が手指で描いた独特の柔らかな描線を忠実に彫りあげていきます。小刀一本で繊細な線を彫る作業は、彫師が最も高い集中力と精度を求められる場面です。




摺ーPrinting
日本独特の素材と技から生まれる軽やかで、鮮やかな色彩
伝統木版画特有の軽やかで鮮やかな発色は、丁寧に作られた楮の和紙に水性絵具を馬連を使って摺りこむことで生まれます。摺師は、ロッカク氏の描く作品の世界観を感じ取りながら、色を調合し、摺り重ねていきます。



